図1 平均月次解約率の推移
図1 平均月次解約率の推移
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図2 営業収益の概要
図2 営業収益の概要
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 ジュピターテレコム(JCOM)は2008年7月29日,2008年度(2008年12月期)中間決算を発表した(発表資料1:連結業績ハイライト発表資料2:中間決算短信 [米国会計基準] )。営業収益は前年同期と比べて12%増加の1438億円,営業利益は同25%増加の254億円だった。ホームパスは前年同期と比べて7%増加の994万世帯,総加入世帯数は同7%増加の276万件,RGU(提供サービスの合計)は同9%増加の493万である。メニュー別に見ると多チャンネル放送が224万5000世帯と5%の増加にとどまったのに対し,高速インターネットが同11%増加の128万1000世帯,固定電話が同16%増加の140万5000世帯だった。

 この結果,バンドル率は同0.04ポイント増加の1.79となり,ARPU(加入者1件当たりの収入)も同101円増えて7754円となった。デジタル化率は同14ポイント増加の73%である。解約率も減少を続けており,平均月次解約率が0.97%と1%を切った(図1)。

 この1年間では,「DOCSIS3.0」を利用した高速インターネットである160Mサービスの加入世帯数が大幅に増えている。2008年3月末に2万6900世帯だったのが,同年6月末には5万5900世帯である。なおHDD(ハードディスク駆動装置)内蔵型STB(セットトップボックス)「HDR」の加入世帯数は,2007年6月末の18万6300世帯に対し,2008年6月末には31万3700と大幅に増加した。J:COMオンデマンドの購入数(コンテンツごとに有料で視聴する「プレミアムオンデマンド」を利用して有料コンテンツを購入した数)は,2007年1~6月に260万件であったのに対し,2008年1~6月は307万件となった。

 2011年に計画される完全デジタル移行(アナログ放送の終了)に向けては,デジタル加入者拡大の推進に向けた三つの対策を説明した。一つは「J:COMデジタル100%プロジェクトの推進」である。2009年中を目標に,すべての放送をデジタルに切り替えようというものである。現行の帯域の約40%をアナログ放送に利用しており,切り替え以降はこの帯域を各種のサービスに利用できるようになる。

 第2が「テレビはJ:COM」キャンペーンの展開である。デジタルテレビの普及は進んでいるものの,家庭には複数のテレビがあり,必ずしも2011年までにすべてのテレビがデジタル化しているわけではない。こうした家庭に向けて,2011年以降に残るテレビを買い換えなくても放送を視聴できるという点を訴求する。STBでアナログ変換して出力するという形態である。

 第3が,電波障害や共聴施設世帯向けメニュー提供の検討である。サービスエリアの中でも,JCOMのネットワークに接続されていない電波障害対策施設や共聴施設の利用者である約80万世帯が対象となる。

■変更履歴
160Mサービスの加入世帯数について,数字に誤りがありました。例えば2008年6月末は,55万9000ではなく,5万5900でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/07/31]