Ruby on Rails Summer Festival 2008!
Ruby on Rails Summer Festival 2008!
[画像のクリックで拡大表示]
左から伊藤忠テクノソリューションズの大場光一郎氏,万葉 代表取締役 大場寧子氏,同 専務取締役 久保優子氏
左から伊藤忠テクノソリューションズの大場光一郎氏,万葉 代表取締役 大場寧子氏,同 専務取締役 久保優子氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「プロジェクトを成功させるために必要なのは,Ruby on Railsの考え方を身に着け,それに則ったコードを書くこと。そのためには何でも話し合え,気軽にコードのレビューを頼める雰囲気が有効」---伊藤忠テクノソリューションズの大場光一郎氏と,万葉 代表取締役 大場寧子氏,同 専務取締役 久保優子氏は2008年7月28日に開催された「Ruby on Rails Summer Festival 2008!」の講演でこう語った。

 大場寧子氏はWeb家計簿「小槌」で,Ruby on RaislアプリケーションのコンテストAward on Rails2006の大賞・審査員賞を受賞。大場光一郎氏はJRubyに文字コード変換ライブラリなどで貢献している。ともにRubyのエキスパートという夫妻だ。久保優子氏はAward on Rails2007でWeb蔵書管理システム「BookScope」でウェブキャリア賞と合宿賞を受賞してる,やはりRubyのエキスパートである。3人による著書「Ruby on Rails 逆引きクイックリファレンス Rails 2.0対応」(毎日コミュニケーションズ刊)も2008年5月に発行されている。

 Ruby on Rails Summer Festival 2008!は人材紹介などを手がけるウェブキャリアが開催している連続無料セミナー。7月25日から9月下旬まで6回の予定で開催しており,今回は第2回。

 「Ruby on Railsプロジェクトを成功させるために必要なのは,Rubyの感性,Railsの考え方を身に着け,それに則ったコードを書くこと。そうすれば効率よく開発できる」(大場寧子氏)。しかし,過去には「最初は生産性が高かったものの,プロジェクトが進むうちコードが汚くなって生産性が下がってしまったプロジェクトも経験した」(大場寧子氏)という。Ruby on Railsのスタイルからはずれたコードが増えてしまったためだ。その解決のために有効なだったのは「そのためには何でも話し合え,気軽にコードのレビューを頼める雰囲気」だったという。Wikiによる情報共有も有用だ。ペアプログラミングも効果があると久保氏は言う。「Railsの初心者とエキスパートの組み合わせだけでなく,初心者同士のペアプロプラミングも有効。わからないことは訊ねにくいが,2人ともわからないことであれば,それは難しい問題なんだと気後れせず質問できる」(久保氏)。

 Rubyが得意とするアジャイル開発は,大規模なSIでは適用しにくいことも多い。そのような場合には「期間を短く区切った,例えば1カ月のウォーターフォール開発を行うことで,顧客に動くものを早く見せることができ,Ruby on Railsの生産性の高さを生かすことができる」と大場光一郎氏は言う。

 おすすめのRuby on Railsプラグインとしては, acts_as_list, will_pagenate, restful_authentication, jpmobile, backgeoundrb, getttextをあげた。また大場寧子氏が開発し,公開しているプラグインもある。image_uploadは画像をアップロードするプラグインで,画像を回転するなどの加工もできる。html5jp_graphsはHTML5.jpのグラフ・ライブラリーをRailsから簡単に使えるプラグインである。

◎関連リンク
Webエンジニア武勇伝 第6回 大場光一郎氏 伊藤忠テクノソリューションズ(株)&大場寧子氏 (株)万葉(ウェブキャリア)