NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2008年7月29日、ネットワークとアプリケーションを組み合わせて提供するサービス「BizCITY」を発表した。第一弾として、アプリケーション事業者にSaaS/ASP基盤を提供する「BizCITY for SaaS Provider」の提供を開始した。このサービスを利用したアプリケーション事業者は、NTTコムのVPN(仮想私設網)サービス上でSaaS/ASPサービスを提供できるようになる。

 BizCITY for SaaS Providerは「ネットワークゲートウェイfor SaaS Provider」と「サーバホスティングfor SaaS Provider」の2種類ある。前者はNTTコムのVPNサービスに自前のサーバーを接続するサービス。すでにインターネット上でSaaS/ASPサービスを提供済みのアプリケーション事業者に向く。1Mビット/秒の回線を契約した場合の料金は月額4万8000円である。

 一方、サーバホスティングfor SaaS ProviderはNTTコムがサーバーも含めて提供するサービスだ。OSはRed Hat Enterprise Linux、Windows、Solarisを選択できる。料金は事業者のサービス特性に応じた個別見積もりとなる。

 NTTコムは今後、「BizCITY for Enterprise」というブランドで一般企業向けのサービスも展開する。今回のサービスで呼び込んだSaaS/ASPサービスや、IP電話サービス、シンクライアントサービスなどを提供する予定だ。同種のサービスとして、米セールスフォース・ドットコムとの協業で提供する「Salesforce over VPN」がある。このサービスはBizCITYブランドを冠していないが、メニューの一つとして提供していく見込みだ。

 SaaS/ASPサービスのビジネスモデルは「我々とアプリケーション事業者で個別に決めていく。BizCITYブランドでNTTコムが主体となって販売する場合もあれば、BizCITYブランドを使わずにアプリケーション事業者主体で販売する場合もある」(NTTコム広報)とする。