米Oracleは米国時間2008年7月28日,ドイツのSAPを相手取った訴訟において,第二修正訴状を提出したことを明らかにした。米メディアの(CNET)によると,今回の修正訴状では,SAP傘下のTomorrowNowがOracleの著作権物を不正入手していた件について,「SAPのCEO(最高経営責任者)をはじめとする幹部が同社を買収する前から認識していた」と主張しているという。

 TomorrowNowは,Oracleの「PeopleSoft」「JD Edwards」「Siebel」ファミリ製品などサードパーティ製アプリケーションのサポートおよびメンテナンス・サービスを提供する企業。SAPが2005年2月に買収した。Oracleは2007年3月,SAPと同社米国法人SAP America,TomorrowNowなどがOracleのプロプライエタリ・ソフトウエアのコードなどの不正入手に関与したとして,カリフォルニア州北部の連邦地方裁判所に提訴していた(関連記事「Oracle,ソフトウエア・コードの不正入手でSAPを提訴」)。また,同年6月には,著作権法違反と契約違反の申し立てを追加した(関連記事「Oracle,SAPに対する訴訟で『著作権法違反』と『契約違反』も追及」)。

 これに対し,SAPは2007年7月3日,TomorrowNowがOracleの著作権物であるドキュメントなどを一部不正ダウンロードしたことを認め,TomorrowNowの経営体制の変更などを明らかにしていた。また,2008年7月21日には, TomorrowNowの事業を段階的に廃止する計画を発表していた(関連記事「SAP,Oracleが提訴した子会社の事業を廃止」)。

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