写真●NECが発売した「UNIVERGE IX2005-Z」
写真●NECが発売した「UNIVERGE IX2005-Z」
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは,遠隔拠点にエッジ・ルーターを初期導入する運用コストを削減するための機能として,インターネットに接続するだけでルーターの設定を自動的に反映できるようにしたルーター機器「UNIVERGE IX2005-Z」を,2008年7月28日に販売開始した。仕組みとして,インターネットイニシアティブ(IIJ)のSMF(SEIL Management Framework)v2を利用する。価格は,希望小売価格で1台7万9000円(税別)。同ルーター機器の開発/製造会社はNECインフロンティア。

 UNIVERGE IX2005-Zは,拠点間接続などに適した小型のエッジ・ルーター。ネットワーク・ポートは100BASE-TX×5ポートで,書籍程度の大きさ。アクセス回線として,各種ブロードバンド回線によるインターネット接続サービスやイーサネット接続サービスを利用できる。IPsecによるVPN接続ができる。IPv4/v6デュアル・スタックで,それぞれによるトンネリングも可能。対応するルーティング・プロトコルはRIP/RIPv2/OSPFv2/BGP4,RIPng/OSPFv3など。このほか,ポートVLAN,タグVLAN,QoS制御などが可能である。

 最大の特徴は,ルーターの設定情報をインターネットから自動取得する機能を備えている点である。これにより,遠隔拠点にルーターを設置する際に,システム管理者が現地に出向いて設定ファイルを反映させるといった手間が要らなくなる。このための仕組みとして利用しているのが,IIJのSMFv2である。設定完了までの処理の流れは以下の通り。ルーターをインターネットに接続すると,まずはIIJの管理サーバーに自動的にアクセスし,個々のルーターに応じた設定ファイル配布サーバーのURLを入手する。その後,指示された配布サーバーにアクセスして,設定ファイルをダウンロードして反映する。

 SMFによる自動設定以外の運用管理インタフェースは,IPv4/v6ともに,Telnet(サーバーおよびクライアント),TFTP(サーバーおよびクライアント),SNMP,Syslog,など。外形寸法は,幅135×奥行196×高さ36ミリ・メートルで,重さは0.8キロ・グラム以下。消費電力は,16ボルト・アンペア(8.5ワット)以下。使用電源はAC100V。作動音のないファンレス構造を採用している。