ヤフーは7月25日に発表した2008年4―6月期の連結決算は、経常利益が前年同期比13.6%増の324億円となった。広告事業の大幅な売り上げ増が利益拡大につながった。営業利益は同10.9%増の328億円、純利益は同18.2%増の191億円。

 同社は、売上原価に計上していた提携企業に支払う手数料(TAC)や、販売費および一般管理費に計上していた販売代理店などに支払う手数料について、当期より売上高から控除する方法(ネット表示)を採用した。新方法による売上高は655億円。従来の方法(グロス表示)で算出した場合は前年同期比27.9%増の725億円となる。

 事業別の売上高では、ユーザーの行動履歴をもとに広告を配信する行動ターゲティング広告やディスプレイ広告の「プライムディスプレイ」と、検索連動広告の売り上げ増加で、広告事業が前年同期比60.6%増の393億円と伸びた。ビジネスサービス事業は同1.9%増の143億円、パーソナルサービス事業は同3.9%増の188億円だった(いずれもグロス表示)。

 ビジネスサービス事業では、掲載件数の拡大により「Yahoo!不動産」の売り上げが前年同期より増加したものの、景気減速などの影響を受けて求人情報「Yahoo!リクナビ」の売り上げが減少した。「Yahoo!ショッピング」と「Yahoo!オークション」は、新規店舗獲得への取り組みが奏功し、6月末の店舗数は前年同月比13%増の3万2061となった。これにより、テナント料と手数料収入が増加したほか、モバイル経由のコマース取扱高が大きく増えた。

 パーソナルサービス事業では、Yahoo!オークションにおいて、各種施策を実施して出品数の増大に努め、モバイルからの利用も拡大したが、システム利用料収入は微減となった。有料会員の「Yahoo!プレミアム」では、会員ID数が初めて700万を突破した。また、会員特典に関して、インターネット以外のサービスも含めた外部パートナーとの連携を新たに開始した。有料コンテンツは、「Yahoo!パートナー」や「Yahoo!コミック」を中心に売り上げが大きく伸びた。

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