米Dellは,同社のノート・パソコンで採用している米NVIDIA製グラフィックス・プロセサ(GPU)の不具合に対する予防策として,対象モデル向けのBIOSアップデート・プログラムを公開した。まだ不具合が起きていないノート・パソコンならBIOSをアップデートすることで,トラブル発生を未然に防げる可能性がある。

 NVIDIAは2008年7月初め,同社のノート・パソコン向けGPUの一部に強度上問題のあるダイ/パッケージング材料を使った個体が存在すると発表した。該当するGPUは温度変動で不具合を起こし,多重画像,意図しない文字,線の表示といった現象や,画像がまったく出ないといった問題が断続的に発生する(関連記事:NVIDIAが5~7月期の売上高を下方修正,市場低迷やGPU不具合などが原因)。Dell以外のノート・パソコンでも同様の不具合は起きる。

 Dellの公開したBIOSアップデート・プログラムをパソコンに適用すると,冷却ファンの動作パターンを変え,GPUの温度変動を抑えることで不具合発生を防ぐ。対象となるモデルは「Inspiron 1420」(BIOSリビジョンはA09),「Latitude D630」(同A12),「同D630c」(同A06),「Precision M2300」(同A07),「Vostro Notebook 1310」(同A10),「同1400」(同A09),「同1510」(同A10),「同1710」(同A07),「XPS M1330」(同A12),「同M1530」(同A09)。現在出荷中のモデルのBIOSはアップデート済み。

 既に不具合が発生している場合はBIOSをアップデートしても問題解決にはならないため,Dellのサポートに対応を依頼する必要がある。

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