パッケージ・ソフトの開発・販売を手がける弥生は2008年7月23日、「弥生人事給与」と「弥生人事給与ネットワーク」の販売を終了すると発表した。弥生は「販売終了は事業の見直しによる選択と集中の結果」と説明。7月23日付けで販売を終了し、既存のユーザーに対しては08年末の年末調整の対応プログラムまで用意する。

 弥生人事給与シリーズは社員数100~1000人程度の企業を対象にしたパッケージ・ソフト。07年6月末に販売を開始し「670件程度の導入があった」(弥生広報)。弥生人事給与は、弥生のパッケージ製品の中では「大規模な企業向けの製品でほかの製品とターゲットとする企業規模が異なっていた」(同)。中小企業向けの「弥生給与」や「やよいの給与計算」といったほかの給与業務支援ソフトとソースコードが異なっており、開発・保守作業が二重になっていたことも負担になっていたという。そのため、「本来得意とする中小企業向けに注力する方針から、今回の販売終了を決めた」(同)。

 既存の顧客に対しては7月23日から告知を開始。本来はサポート契約を結んでいる顧客にのみ配布する年末調整対応プログラムを、すべての顧客に提供する。以降は、制度対応用のプログラムが配布されないため顧客企業は、別の人事給与ソフトなどにリプレースする必要がある。また「サポート契約が途中で打ち切られる顧客に対しては適宜、サポート費用を返金する」(弥生広報)としている。ヘルプデスクは09年3月末日まで開設する。

 弥生は07年9月にライブドアから分離独立。投資会社のMBKパートナーズ傘下に入り、08年4月1日付けで社長を交代。07年10月に開発を表明していたSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型の営業支援ソフト「弥生ワークス」の開発を08年1月25日に中止するなど、事業の見直しを進めている。