NECが基調講演で披露した4種類のコンセプト・モデル
NECが基調講演で披露した4種類のコンセプト・モデル
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コンセプト・モデルは展示会場でも見ることができる
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ビデオ・カメラのような形状のMobile Broadcast端末
ビデオ・カメラのような形状のMobile Broadcast端末
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子供の実験的な活動を支援するMobile Kids Lab端末
子供の実験的な活動を支援するMobile Kids Lab端末
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“投影時”寸法の小型化を狙うSimple Clamshell端末
“投影時”寸法の小型化を狙うSimple Clamshell端末
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 NECは,2008年7月22日に東京ビッグサイトで開幕した「ワイヤレスジャパン2008」で,現在企画している携帯電話機のコンセプト・モデルを披露した。基調講演で各モデルが備える機能や狙っているユーザー層などを説明したほか,展示会場でもモックアップを見せている。

 同社の山崎耕司モバイルターミナル事業本部長による基調講演では,“NECが考える次世代ケータイ”に関して,ネットワーク側にある価値を端末経由で個人に提供するという方向性を示した。NECは,ネットワークと端末両方の技術を持っているのが強みであるという説明である。その説明の流れで,「デザイナーの視点で端末を実現するとどうなるか」という紹介で同社クリエイティブスタジオの磯野和己クリエイティブディレクターが登場,コンセプト・モデルの詳細を解説した。

 今回披露したコンセプト・モデルは,“個人放送局”向けの端末「Mobile Broadcast」,子供向けの「Mobile Kids Lab」,薄型化を追求した「Super Slim」,折り畳んだ状態での小型化を狙った「Simple Clamshell」の4種類がある。

 Mobile Broadcast端末はビデオ・カメラのような形状をしており,ヒンジ部に撮像素子を内蔵する。撮影した動画を端末上で編集したり,インターネット経由でライブ中継したりできる機能を備える。撮影中もバッテリ交換ができる設計にするなど,プロの利用にも耐える設計とするという。

 Mobile Kids Lab端末は,子供が遊びながら実験的に撮影した画像を友達などと共有することを想定した。例えば,内蔵カメラの撮影時間と撮影間隔を調整することで,植物の観察日記を作成できる。撮影した画像をインターネットに簡単にアップロードできるようにするほか,音声検出機能を備え,必要に応じてテキスト情報を付与できる。

 Super Slim端末は,あえて通話利用を主眼とし,機能を抑えて薄型にした端末である。デザインを重視して曲面を取り入れた。サブ液晶を上面に配置し,ポケットに収めたときに上から覗き込んで時刻などを確かめられる。

 Simple Clamshell端末は,実装体積は変えずに“投影面積”を小さくすることを狙った。十字キーをヒンジの内側に収めるなどして,使い勝手を損ねることなく小型化を実現する。デザイン性を重視することで,カメラの画素数や表示装置の寸法などスペック競争に巻き込まれないようにするという。インテリア・ショップなど,従来とは別の流通経路での販売を想定,充電器など周辺機器のデザインにもこだわる。

 コンセプト・モデルそれぞれの具体的な販売計画には踏み込まなかったが,ネットワークと端末の両技術を組み合わせることで実現する次世代ケータイについて,山崎本部長は「今後2年をかけて実現したい」と語った。