写真1●2009年3月期第1四半期の連結決算を発表するKDDIの小野寺正社長兼会長
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写真2●6月10日から導入した割賦販売方式の浸透状況
写真2●6月10日から導入した割賦販売方式の浸透状況
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 KDDIは2008年7月22日,2009年3月期第1四半期の連結決算(2008年4月1日~6月30日)を発表した。売上高は前年同期比3.1%増の8705億円,営業利益は同11.7%減の1244億円だった。営業利益の通期見通し(4430億円)に対する進ちょく率は28.1%で「順調に推移した」(小野寺正社長兼会長,写真1)。

 セグメント別では移動通信事業の売上高が同0.7%増の6798億円,営業利益が同8.0%減の1392億円。一方,固定通信事業はセグメント範囲を見直した影響もあり,売上高が同17.4%増の2072億円,営業損益が149億円の赤字である。設備投資は移動通信(2GHz帯/新800MHz帯)とFTTHで増えており,同46.4%増の1300億円だった。総合ARPU(1契約者当たりの平均月間収入)は同530円減の5900円で,内訳は音声が同640円減の3710円,データが同110円増の2190円である。解約率は同0.1%減の0.87%。

 6月10日から導入した割賦販売方式(関連記事)の浸透状況も明らかにした。6月10日~30日の短期間のデータになるが,62%のユーザーが割賦販売方式に対応したシンプルコースを選択した(写真2)。特に高機能端末を購入する際にシンプルコースを選ぶ傾向が高いという。ただ,割賦販売方式の対象機種が6機種に限られていたので,今後は「シンプルコースの割合がもう少し高くなる可能性がある」(小野寺社長)。

iPhone 3Gだけでお客様が満足するか?

 質疑応答では,春商戦の不振やiPhone 3Gなどについて質問が出た。小野寺社長は春商戦の不振について「正直申し上げて,一部の端末を除くと,必ずしもお客様にとって魅力のある端末ではなかったということだろう。これが一番の理由と見ている。iPhone 3Gを見れば分かるように端末に魅力があればお客様は店舗に足を運んでくれる。もちろんサービスも重要だが,まず端末を手に取ってもらわなければサービスは見えない。その意味では,とにかくよい端末を出すことが一番重要になる。秋冬以降の端末でリカバーできると考えている」としており,端末の魅力で巻き返しを図る。

 iPhone 3Gの評価については,「アップルに関心を持っているお客様がそれなりにいるのは事実。ただし,iPhoneだけで日本の携帯電話のお客様が満足するかと言えば別。タッチパネルをはじめとしたiPhoneの特徴に関心が高い一方,ワンセグやおサイフケータイなどの機能がないことをお客様がどうとらえるか。影響は当然あるが,その度合いは判断付きかねている」(小野寺社長)とした。

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