日本アルカテル・ルーセントは2008年8月22日,山口県のケーブルテレビ(CATV)事業者である周防ケーブルネット(本社:山口県柳井市、代表取締役社長:山内治氏,ホームページ)より同社のG-PON(Gigabit Passive Optical Network)技術が選定され,設計からシステム統合,設置を含む供給契約を受注したと発表した(発表資料)。今月から始まる周防ケーブルネットの高速インターネットサービスおよびデジタルテレビ放送サービスを担うもので,G-PONが実用稼働する国内初の商用設置導入例となるという。

 現在,国内で広く一般に導入されているGE-PONは,下り帯域が1Gb/sであるに対し,G-PONは2.5Gb/sとより広帯域を実現する。G-PONは,ITU-T G.984で標準化されているPON規格であり,上り帯域も最大1.2Gb/sの伝送速度を有する。下り帯域はGE-PONの2倍以上の速度であり,64分岐時で20kmの伝送距離を実現する。GE-PONでは標準化されていない「1芯3波伝送」(上り/下りデータ信号用に2波に加えて,下り放送信号(RF信号重畳)用に1波を使用)も,G-PONでは標準化されているという。

 アルカテル・ルーセントは「7342 ISAM FTTU(インテリジェント・サービス・アクセス・マネージャー ファイバ・トゥ・ザ・ユーザー)」ソリューションを設置する。同ソリューションは,映像とデータが混在するトラヒックを単一ファイバー上で円滑に伝送し,加入者宅内の終端装置にまで2.5Gb/sの下り帯域幅を可能にする。

 周防ケーブルネットは,2008年7月1日に開局したばかりの第三セクターのケーブルテレビ事業者である。3波多重のFTTHを全面導入した。当面のエリアは,1万7000世帯が対象である。すでに放送サービスが始まっており,遅れているデータ通信サービスは,今月中にも開始したい意向である。