富士通は,銀行営業店舗における営業店端末の画面やATM操作画面,インターネット・バンキング画面といった個々の金融サービスを統合した「フロントエンド・ポータル」として動作するシステム「EVOLUO-ChannelIntegrator」を,2008年7月22日に販売開始した。2009年1月から提供する。利用料金(システムの利用/維持コスト)は,端末の同時セッション数100台までの最小構成時に年額500万円(税別)から。別途,初期導入時にシステム構築費用(ソフト/ハード費用とSIサービス費用)が必要になる。販売目標は,5年間で売上150億円。

 EVOLUO-ChannelIntegratorは,銀行など金融機関向けの販売チャネル管理システム。営業店端末やATM,インターネットなど,SOA環境下やWeb経由でアクセス可能な個々の独立した販売チャネルを束ねて連携/統合するフロントエンド・ポータルとなる。Web画面フロントエンド基盤「チャネルフレームワークサービス」を基本ソフトとして,営業店システム連携や営業店端末の事務ナビゲーション,取引監視などの各オプションを用意している。顧客と対面して営業店端末を操作する銀行のオペレータや,インターネット経由で金融サービスを利用する顧客などが同システムのユーザーとなる。

 個々のサービスの概要は以下の通り。ベースとなるチャネルフレームワークサービスは,個々の金融サービス画面を統合してワンストップでサービス提供できるようにするポータルとなる。個々の金融サービスの取引業務内容や顧客情報などのウインドウを1つの画面内に複数配置し,ウインドウ間でのデータ連携を可能にする。また,同フレームワークを顧客向けのポータル画面に適用することで,インターネット経由でありながらATMと同じ操作性で取引できる画面を実現する。さらに,利用者の世代に合わせて文字サイズを切り替えるといった運用も可能になる。

 オプションは,2008年7月の販売開始時点で4つ用意している。それぞれの概要と価格,出荷開始時期は以下の通り。(1)「事務ナビゲーションサービス」は,営業店端末の画面に,顧客の受付から取引完了までの一連の手続きや業務処理の操作手順を表示してナビゲートする。これにより,担当者に依存しない窓口サービスの均一化が図れる。価格は,年額300万円(税別)で,出荷時期は2009年1月。(2)「FBC連携サービス」は,富士通の営業店システム「Financial Business Components」(FBC)と連携し,FBCの機能を拡張する。価格は,年額100万円(税別)で,出荷時期は2009年1月。(3)「事務量可視化サービス」は,販売チャネルごとの取引情報を取引履歴管理データベースに格納し分析できるようにする。価格は年額200万円(税別)で,出荷時期は2009年10月。(4)「取引監視セキュリティサービス」は,取引データを監視して不正取引かどうかを検査する。年額100万円(税別)で,出荷時期は,2009年10月。