日立製作所は東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン2008」で,家庭向けの消費電力モニタリング・システム「Collectlo de CO2ダイエット」を展示している(写真1)。同社の無線センサー・ネットワークを利用したASPサービス「Collectlo(コレクトロ)」の新しいアプリケーションとして位置づけている。
Collectloを利用するアプリケーションには,ほかにヘルスケア・サービスがある。ユーザーが家庭で測定した体組成計や血圧計による計測データをもとに,栄養士がWeb上で食事や生活習慣についてアドバイスする。いわゆるメタボリック対策支援サービスで,現在、実証実験を進めているという。
Collectloは,電力計や温湿度計などのセンサーや機器,センサー・ゲートウエイ,Webサーバーなどで構成。機器に無線モジュールを組み込み,計測したデータを無線通信でセンサー・ゲートウエイに送る。ゲートウエイからインターネットを経由して日立のCollectセンター(Webサーバー)に集めたデータを管理・加工した結果を提供する。
会場では,家庭向けの消費電力モニタリング・システムが展示された。エアコンや洗濯機,冷蔵庫,テレビ,パソコンなどの機器にコンセント型の電力計を接続し,計測データをCollectセンターに送る。このデータをもとに,例えばESCO(エネルギー管理サービス事業者)などが消費電力の監視を行ったり,家庭内のモニター画面にリアルタイムの消費電力や電気代,CO2排出量,1日の消費電力の推移をグラフ表示したりといったサービスを提供できるようになる(写真2)。
「家庭内の電力消費量を“見える化”することで,省エネ意識を高められるはず。無線モジュールを組み込んだ電力計などの小型化を進め,早期に商用化したい」と,同社システム開発研究所の松浦芳樹氏は展望する。