東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン2008」で,NTTドコモは「インテリジェント電池パック」(仮称)を出展している。携帯電話の電池を安全かつ効率的に使うための新しい電池パックである。

写真1●「インテリジェント電池パック」の基板。黒い電池パック(870ミリアンペア)部分の上部にある保護回路モジュールに,マイコンが埋め込まれており,電池の電流,電圧,温度などをチェックする。
写真1●「インテリジェント電池パック」の基板
黒い電池パック(870ミリアンペア)部分の上部にある保護回路モジュールに,マイコンが埋め込まれており,電池の電流,電圧,温度などをチェックする。
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 この電池パックはドコモとミツミ電機が共同開発中の製品で,「2009年中には製品化したい」(説明員)という。電池パックの保護回路モジュール部分にマイコンが組み込まれており,電池の電流,電圧,温度などさまざまなパラメータを細かくチェックすることが可能だ(写真1)。

 そのデータを基にして,ノートパソコンのように1%刻みで電池の残容量を表示したり,最適な充電のタイミングを調べてその日時を教えてくれたりする。アプリケーション別に利用可能な時間を算出する,自分や家族の携帯電話の電池が切れそうになったら警告を出す--といったしくみも実現できる(写真2~4)。

写真2●インテリジェント電池パックの機能を生かした試作アプリケーション。従来の携帯電話と違って,電池の残容量を1%刻みで表示できる。残容量から,最適な充電時間を求めて表示することも可能。
写真2●インテリジェント電池パックの機能を生かした試作アプリケーション
従来の携帯電話と違って,電池の残容量を1%刻みで表示できる。残容量から,最適な充電時間を求めて表示することも可能。
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写真3●電池の残容量から,アプリケーション別に利用可能な時間を求めて表示したところ
写真3●電池の残容量から,アプリケーション別に利用可能な時間を求めて表示したところ
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 また,電池は劣化するにつれて内部抵抗値が高くなってくる。そこで,内部抵抗値や,電池パックを最初に装着してからの経過時間などを基に電池の劣化具合を推定することも可能だ(写真5)。電流や電圧に異常値が発生した場合は故障を疑って警告を出すこともできるため,「電池を安全に使うという目的にも活用できる」(説明員)。

写真4●ほかの携帯電話の電池残量をチェックすることも可能
写真4●ほかの携帯電話の電池残量をチェックすることも可能
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写真5●電池の劣化具合を「元気度」として表示。電池は使い続けると劣化して,本来持っている容量いっぱいの充電ができなくなる。
写真5●電池の劣化具合を「元気度」として表示
電池は使い続けると劣化して,本来持っている容量いっぱいの充電ができなくなる。
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