NECエンジニアリングは,2008年7月22日から東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン2008」で,無線温湿度センサーを使ったオフィス向け省エネ・ソリューションのデモを行った。ビルオートメーション(BA)システムと連動して空調や照明をきめ細かく制御し,オフィスビルの省エネに役立つところを実演して見せた。
無線温湿度センサーシステムは,BA用データ通信プロトコルのBACnet/IPに準拠。無線温湿度センサー(子機),アンテナ部(親機),BACnetゲートウエイで構成する。子機は,7cm×7cm×3.5cmと小形で,オフィスの壁やパーティションなどに取り付けて使う。このセンサーが計測した室温・湿度を無線で各フロアに設置した親機に送信し,親機からBACnetゲートウエイを介して空調管理システム(PCや空調機コントローラなど)に接続する。
会場では,パネルに4台の子機を貼り付けて温湿度を計測し,親機,BACnetゲートウエイを介して空調機を制御するデモを実施した(写真1,写真2)。4台の子機のうち1台だけに白熱灯を照射して温度を上げ,30度を超えると,子機付近に置いた小形の扇風機が自動で回りだす(写真3)。このほか,入退室管理システムと連動して照明や空調が自動的にオン・オフできるところなどを実演して見せた。
「東京都の環境確保条例が改正され,2010年から大規模事業所は温室効果ガスの総量削減義務が課せられる。オフィスビルの省エネは待ったなしの状況で,自動空調制御システムの需要は大きい」と,デモを担当したNECエンジニアリング 第二システムソリューション事業部第一制御ソリューション部主任の長谷川尋司氏は説明する。無線温湿度センサーシステムの価格は,子機5台,親機1台の最小構成で90万円から。