2008年7月22日から24日まで東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン2008」では,NTTドコモが次世代携帯規格LTE(long term evolution)の無線伝送デモを披露している。
今回の環境では,10MHzの帯域幅と,送信側と受信側にそれぞれ四つのアンテナを配したMIMO(4×4MIMO)を利用。約120Mビット/秒の速度を実現している。
デモ・システムは,基地局側から端末側にそれぞれ有線ネットワークを接続し,そのネットワーク間をLTEで結ぶという構成である。ハイビジョンの動画配信のほか,基地局側と端末側の双方にビデオ・カメラとゲーム機を設置し,ハイビジョン動画を相互にリアルタイム配信したり,ゲームで対戦したりする様子を披露している。
LTEとHSDPAとの比較のため,この二つの通信方式で,基地局側に接続したFTPサーバーから約40MBのファイルをダウンロードするデモも公開中だ。HSDPAでは最高で約1M~2Mビット/秒程度の速度しか出ないところを,LTEでは最高で約46Mビット/秒の速度が出ていた。
NTTドコモは2009年中にもLTEの開発を完了し,2010年以降にサービスを開始する予定だ。