NTTドコモは2008年7月17日,富士通製の新端末「らくらくホンV」(写真1)を8月に発売すると発表した。携帯電話上で歩数や脈拍数,血圧,体重などの健康管理をできるようにした点が特徴。価格はオープンで,4万円前後になる見通しである。
らくらくホンVでは「あんしん」をさらに追求し,「健康管理に大きくチャレンジした」(NTTドコモのプロダクト部長を務める永田清人執行役員,写真2)。3軸センサーの歩数計を採用して計測の精度を高めたほか,指でカメラに軽く触れるだけで脈拍を測定できる「かんたん脈拍計」を新たに搭載した(写真3)。
タニタの体組成計や血圧計(ともに別売)で測定した体重や体脂肪率,内臓脂肪レベル,血圧などのデータを赤外線通信で端末に取り込むことも可能で,これらデータはプリインストールのアプリケーション「健康生活日記」を使って時系列のグラフで確認できる。さらにタニタの健康支援サイト「TANITAからだカルテ」(有料)と連携し,健康に関する個別指導を受けることも可能とする。
このほか,ヒンジ部のボタンを押すだけで片手で端末を開ける「オープンアシスト」,マイクに向かってしゃべるだけでメールを作成できる「音声入力メール」(「らくらくホン プレミアム」で搭載済み),相手の声を音域ごとに細かく音量調整する「スーパーはっきりボイス2」,周囲の雑音を拾う範囲を狭めることで自分の声を相手にはっきり伝える「スーパーダブルマイク」などの機能も加えた。なお,オープンアシストは「パナソニック モバイルコミュニケーションズから部品を購入することで実現した」(説明員)という。
発表会の主な質疑応答は以下の通り。
らくらくホンの端末または技術を海外に展開していく予定はないのか。
話せることは特にないが,確かにらくらくホンは世界的に見てもユニークな端末で,これまでのノウハウや経験値,技術を生かして海外への展開につなげていきたいと考えている。ぜひ頑張りたい。
7月15日にオムロンヘルスケアと共同で発表した「携帯電話を用いたウェルネスプラットフォーム」との関係は。
ウェルネスプラットフォームは将来,らくらくホンでも利用できるようになるだろう。今回の発表と相反するものではない。
永田執行役員のiPhone 3Gの評価は。
非常にすばらしいインタフェースを搭載しているが,日本のすべてのユーザーが利用するかといえばそうではない。
なお,ソフトバンクモバイルの東芝製端末「821T」の製造,販売などの差し止めを求め,3月に東京地方裁判所に仮処分命令を申し立てた件(関連記事)については「現在,係争中なので控えたい」(永田執行役員)とする回答にとどまった。
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