写真●ソニーによるTransferJetのデモの様子 TransferJetのチップを搭載したビデオカメラを,テレビに接続したリーダー装置の上に置き,ケーブルを使わずにビデオカメラ内のハイビジョン映像をテレビに表示している。
写真●ソニーによるTransferJetのデモの様子 TransferJetのチップを搭載したビデオカメラを,テレビに接続したリーダー装置の上に置き,ケーブルを使わずにビデオカメラ内のハイビジョン映像をテレビに表示している。
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 ソニーなど15社は2008年7月17日,ソニーが開発した近接無線技術「TransferJet」(関連記事)の普及や互換検証システムの策定などを目的としたコンソーシアムを設立すると発表した。

 設立メンバーには,ソニーのほかキヤノン,松下電器産業,東芝,日本ビクター,KDDI,ニコン,セイコーエプソンなど,家電メーカーや周辺機器メーカー,携帯電話事業者などから幅広いプレーヤーが参画している。なおこの15社意外にもスケジュールの都合上,今回の発表に間に合わなかった企業もいるという。今後さらにコンソーシアムの参加メンバーは増える予定。

 TransferJetは,2008年1月にソニーが発表した最大560Mビット/秒のデータ転送が可能な近接無線技術。4.48GHz帯の微弱電波を使うことで,FeliCaのようにほかの機器にかざしたり,機器同士を触れ合わせりするだけで,音楽,動画など大容量のデータ転送が可能になる(写真)。

 通信できる距離は約3cmと非常に狭く,他人に傍受される可能性が低いため,暗号化の仕組みはあえて入れていない。そのため伝送システムがシンプルになりコストが抑えられるほか,設定を簡素化できるという特徴がある。

 ソニーはTransferJetを搭載した機器を2009年度内に製品化することを計画している。コンソーシアムの参画メンバーを見る限り今後は,デジタルカメラからテレビ,携帯電話など様々な機器の間で,動画など大容量データの転送が簡単にできるようになりそうだ。

[発表資料へ(TransferJetコンソーシアムのホームページ)]