インタレストマッチの発表会に臨むヤフー社長の井上雅博氏(左)と広告本部長の武藤芳彦氏(右)
インタレストマッチの発表会に臨むヤフー社長の井上雅博氏(左)と広告本部長の武藤芳彦氏(右)
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 ヤフーとオーバーチュアは2008年7月17日、コンテンツ連動型広告「コンテンツマッチ」の後継商品となる興味関心連動型広告「インタレストマッチ」を今秋より始めると発表した。ユーザーが(1)現在見ているページの内容、(2)過去のページ閲覧履歴、(3)Yahoo! JAPAN IDの登録情報に基づく性別や年代、地域などの属性を組み合わせて、ユーザーの興味・関心を特定。最適なテキスト広告を配信する仕組み。コンテンツ連動型広告より精度の高い広告を配信できるとしている。

 従来のコンテンツマッチでは例えば、サッカー関連の記事を見ている人にはサッカー関連の広告を表示していた。インタレストマッチでは、20代女性フリーライターの人が数週間前に見た国内旅行の関連ページ、数日前に見た沖縄の関連ページなどの情報も加味して、「サッカーグッズ」「沖縄でのダイビング」「国内旅行」などの広告を表示する。

 行動履歴は、Yahoo! JAPANのサイト内のページ閲覧や検索履歴の行動を、一定件数取得して分析する。広告掲載順位は、スポンサードサーチのロジックに基づき、入札価格や広告の品質、ユーザーの関心との関連性から決まり、「最もクリックされやすい広告を表示する」(ヤフー社長の井上雅博氏)という。

 広告主は、タイトルとデスクリプションの広告原稿に加えて、キーワード、ユーザーの地域/性別/年代、広告を掲載する時間帯、クリック単価などを指定して広告を出稿する。開始当初は広告代理店経由の申し込みのみ受け付け、開始2カ月後からオンライン申し込みにも対応する。

 広告管理画面は検索連動型広告の「スポンサードサーチ」とは別で、原稿の入稿や効果測定などは別々に行うことになる。インタレストマッチが日本独自に開発されたことが理由で、将来的には統合される可能性もあるという。

 広告掲載ページは、ヤフーの「Yahoo!トピックス」「Yahoo!ニュース」「Yahoo!ファイナンス」などから始め、月間総ページビューは200億に達する見込み。2008年中には、オーバーチュアの提携サイト、さらに「Yahoo!ウェブオーナーセンター」に加入して広告配信を受けている個人サイトなどへも掲載される予定。開始1カ月後にはケータイサイトにも対応する。

 ヤフーの井上社長は同日開催した記者会見で、「市場の可能性は検索連動型広告と同じ程度ある」と将来的な見込みを語った。その根拠としてインタレストマッチの精度の高さに加えて、「全体のネット利用の中で検索は1割前後、8割以上の時間は行き着いたページで費やされており、そこにインタレストマッチを適用する」ため、「ピンポイントに関心をとらえられる検索連動型広告と比べて、インタレストマッチの精度が10分の1になったとしても、量との掛け合わせで同じぐらいの市場規模になる」とした。