写真1●インテルの吉田和正共同社長
写真1●インテルの吉田和正共同社長
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写真2●NECがCentrino 2の発表会(2008年7月16日)で参考出展したCentrino 2 vPro搭載のノートPC
写真2●NECがCentrino 2の発表会(2008年7月16日)で参考出展したCentrino 2 vPro搭載のノートPC
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 インテルは2008年7月16日、ノートPC向けプラットフォームの新型「Centrino 2」を発表した。プラットフォームとは、プロセサやチップセットなどパソコンを構成する基本部品の総称。

 Centrino 2のポイントは、画像処理性能や無線通信機能、管理機能を強化したこと。3次元画像の処理については、前バージョンであるCentrinoに比べて2倍近い処理速度を実現したという。

 ブルーレイディスクの再生も可能にした。以前は外付けの画像処理プロセサが必要だった。合わせて、家電で搭載が進みつつあるHDMIもサポートした。家電指向のノートPCが増えていることを踏まえたものだ。

 消費電力の低減も意識した。今後インテルが投入する熱設計電力(設計上想定される最大消費電力、TDP)を25Wにまで低めたプロセサも動作するように仕様や機能を調整した。従来のインテル製ノートPC向けプロセサのTDPは35W~44W。

 新型の無線LANモジュール「WiFi Link 5000番台」を搭載し、「IEEE802.11n」のドラフト版(現在は標準化作業中)に準じた無線通信機能を備える。802.11nは数百Mビット/秒の通信速度を実現する規格。従来の無線LAN通信規格で最速なのはIEEE802.11aやgで、最大通信速度は54Mビット/秒。

 Centrino 2には企業向けバージョンである「vPro Centrino 2」も用意する。インテルが開発したクライアント管理機能「vPro」を搭載したもので、今回は特にリモート管理機能「AMT(アクティブ・マネジメント・テクノロジ)」を強化した。ノートPCがスリープ状態かハイパネーション(休止)状態であれば、無線LANを通じてOSの再インストールやパッチの適用といったリモート管理を実行できる。以前は有線LANに接続させておく必要があった。

 また、社外に持ち出したノートPCのリモート管理を可能にする機能を備えた。vPro機能に対応したゲートウエイ・サーバーを使って、インターネットに接続した社外のノートPCと社内LANを相互に接続。社内のシステム管理用コンソールから社外のノートPCの動作をチェックしたり設定を変更したりする、といったことが実現できるという。

 インテルの吉田和正共同社長はノートPCの位置づけが高まっている旨に触れた(写真1)。「世界におけるパソコンの市場規模は2001年時点では1億3100万台程度だったが、2008年には3億台に達した。この間に特に伸びたのはノートPC。市場を牽引するノートPC用に革新的な技術を惜しみなく投入していく」(吉田社長)。

 同日、アスース、NEC、エプソンダイレクト、ソニー、東芝、日本HP、松下電器産業、レノボ・ジャパンなど主要パソコンメーカーがCentrino 2搭載ノートPCを発表した(写真2)。