米Googleと米Yahoo!の提携をめぐって,米連邦議会の上院司法委員会と下院司法委員会が独占禁止法違反に関する公聴会を開催し,米Microsoft法務顧問のBrad Smith氏が米国時間2008年7月15日に証言を行った。同氏は提携の正当性に疑問を投げかけ,オンライン広告の競争とユーザーのプライバシに損害を与えるとの懸念を示した。

Smith氏は,両社の提携によりGoogleが検索広告全体の最大90%をカバーする可能性があると指摘。広告主は選択肢が減るため,Googleの広告サービスを選ぶ以外に手段が無くなり,その結果,広告料が高騰するとの見解を述べた。

「ほとんどの人が考えているように,検索がインターネットの入り口だとするならば,この提携はGoogleにその入り口と,入り口を通る情報を我がものにすることを許すことになる。広告の歴史で,テレビやラジオ,紙媒体といった単一メディアにおいて,最大9割の広告の価格を一社が支配することなどなかった。インターネットの世界でも,そのようなことが起こってはならない」(Smith氏)

また,一社がオンライン広告を管理下に収めるということは,ユーザーのオンライン活動を完全に把握するということであり,プライバシの問題にもつながると説明した。

一方,Google法務顧問のDavid Drummond氏は,MicrosoftがOS市場で90%のシェアを占めていることを挙げ,「デスクトップ市場における独占的地位により,一社が自社製品とサービスを有利に扱い,競合製品とサービスの相互操作性確立を妨げることが可能になっている」との証言を提出した(Reutersの報道)。

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