写真1●チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの杉山隆弘社長
写真1●チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの杉山隆弘社長
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写真2●「UTM-1」の機能別実測値を公開 新製品の値も測定後順次公開する。
写真2●「UTM-1」の機能別実測値を公開 新製品の値も測定後順次公開する。
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 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2008年7月15日,2008年下期の事業説明会を実施した。この3月に参入したUTM市場への取り組みなどを説明。ソフト主体の専業ベンダーという社是が生み出す提供形態と機能の豊富さをアピールし,「多様性と管理性を両立できる唯一のベンダー」(杉山隆弘社長,写真1)と自信を見せた。

 同社は1993年創業の老舗セキュリティ・ベンダー。パッケージ販売のファイアウォール/VPN製品を主力に事業を展開してきたが,2008年3月に中・大規模向けアプライアンス製品の「UTM-1 Total Security」シリーズの販売を開始。従来のソフトウエア,米CrossbeamやフィンランドNokiaのアプライアンス,自社製アプライアンスの3種類の製品を用意した。これにより「中央拠点ではソフトウエアとサーバーの組み合わせでサイジングし,リモート拠点では手離れのよいUTM-1を使う,といった多様性と,統一された管理インタフェースを両立できる」(杉山社長)。

他社製UTMよりもスループットが高いことをアピール

 2008年下期の重点課題は,SOHOから通信事業者までと幅広いユーザー層が対象となるアプライアンス製品「UTM-1」に関連すること。UTMを扱うパートナーの開拓,セキュリティ専門スタッフの増員(2人から8人に)などの施策を取る。

 これら施策を支援する取り組みとして,UTMの機能別スループットなど詳細な実測値を公開した(写真2)。UTMはファイアウォール/VPN,IPS(侵入防御),ウイルス対策といった複数の機能を1台に統合するため,機能ごとのスループットは購入時の重要な判断指標。UTMに特化した米Fortinetなどでは詳細なスループットを公表しており,これら競合製品との差別化材料となる。

 例えば価格が83万7900円の下位機「UTM-1 270」のスループットは,ファイアウォール400Mビット/秒,ウイルス対策30Mビット/秒,スパム対策40Mビット/秒。同価格帯のFortinet製「FortiGate-200A」は同150Mビット/秒,同30Mビット/秒,非公開である。