エージーテックは,ファイルの暗号化によって社外持ち出しPCからの情報漏えいを防止するソフトをASP(Application Service Provider)形式で提供するサービス「セキュリティコンパクトASPサービス」を,2008年7月15日に販売/提供開始した。既存のパッケージ・ソフトのサーバー機能をASP化した。利用料金は,ユーザー3人が6カ月間使った場合に4万5000円(税別)など。ソフトウエアの開発会社は,アステックインタナショナル。

 セキュリティコンパクトASPサービスは,ファイルの暗号化によって社外持ち出しPCからの情報漏えいを防止するセキュリティ・ソフトである。アーキテクチャは,セキュリティの対象となるクライアントPC上で動作してデータを暗号化/復号する専用のクライアント・ソフトと,データ暗号鍵を一元管理するサーバー・ソフトで構成する。両ソフトをパッケージ化したソフト製品「セキュリティコンパクト」のサーバー・ソフト部分を,今回新たにASP形式で利用可能とした。利用には.NET Framework 2.0上で稼働するクライアント・ソフトの導入が必要になる。クライアント・ソフトの配布サイズは27.6Mバイトである。

 ASPで提供するサーバー・ソフトは,鍵管理機能を提供する。特徴は以下の通り。サーバー側(ASP側)では,クライアント・ソフトがファイルを復号するために必要な暗号鍵を集中管理し,クライアント側でファイルを閲覧/更新する際に,その都度暗号鍵をクライアントに配信する。一方で,クライアント・ソフト側では,最初に,暗号化したいファイルをクライアント・ソフトのファイル・リストに登録すると,暗号化の上,復号に必要な暗号鍵をサーバーに転送登録する。リストに載っているファイルを復号する際には,その都度,サーバーから暗号鍵を入手する。

 社内での暗号化ファイルの受け渡しも可能である。具体的には,ロール(役割)ベースのアクセス権限を運用可能である。暗号化されたファイルを,社内で同じくセキュリティコンパクトを利用している第三者に渡した場合に,その第三者がファイルの閲覧権限を持っている場合,復号に必要な暗号鍵をサーバーから入手可能となる。