米Microsoftはゲーム業界最大の展示会Electronic Entertainment Expo(E3)開幕前日にあたる2008年7月13日(米国時間),家庭用ゲーム機「Xbox 360」の中級モデルの価格を一時的に引き下げた(関連記事:Microsoft,20GバイトHDD搭載の「Xbox 360」を50ドル値下げ)。これによって,現行モデルと同等の価格だが,内容をほんの少し変える新モデルへの移行をスムーズにしようとしている。実のところ,今回の値下げは現行モデルの在庫分にしか適用されない。

 まず現状を説明しよう。Xbox 360の現行モデルは3種類ある。ローエンド・モデル「Xbox 360 Arcade」は,ストレージが記憶容量256Mバイトのメモリー・カードだけでハードディスク(HDD)を持たない。販売価格は280ドルで,一番人気のゲーム機「Nintendo Wii」に比べ約30ドル高い。中級モデルは工夫も何もないそのままの名前「Xbox 360」で,20GバイトHDDを搭載し,350ドルで売られている。ハイエンド・モデルは,黒いきょう体に120GバイトHDDを内蔵する「Xbox 360 Elite」で,450ドルだ。

 中級モデルXbox 360の米国における価格は,在庫分に限り50ドル下がって約300ドルとなる。ただし,中級モデルのHDDは8月ごろ現在の20Gバイト品から60Gバイト品に変わる。それ以外に変更点はなく,価格も以前の350ドルに戻る。

 つまり,実質的には値下げでも何でもない。Microsoftは,同一価格のマイナーチェンジ・モデルを売りやすくするため,現行モデルの在庫処分セールをするだけだ。Wiiの価格に少しだけ近いXbox 360を探しているのなら,在庫分のみのこの機会に買うとよい。