米eBayのオークション・サイトで販売されている偽ブランド品を巡って同社が米Tiffanyと争っていた訴訟で,ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所は,「eBayに偽ブランド品を摘発する法的義務はない」とする判決を下した。eBayが米国時間2008年7月14日に明らかにした。

 連邦地裁は,偽造の疑いがある商品を削除するようにeBayに命じたものの,偽ブランド商品の摘発は,登録商標を保持するTiffanyの責務だと判断した。

 eBayは,「今回の判決によって,当社が行っている偽造品対策が適切かつ十分なものであり,登録商標保護の主たる義務を負うのは,製品メーカーであることが明確になった」としている。

 米メディア(New York Times)によると,TiffanyがeBayに出品されているTiffanyブランド商品を調べたところ,その大半が偽造品だったという。このためTiffanyは,eBayが同社サイトにおける登録商標侵害を通じて利益を享受しているとして,2004年に同社を提訴していた。一方eBayは,商標権保持者の報告を受けて,出品リストから偽造品を削除する「Verified Rights Owners」プログラムなどを実施しており,偽造品対策を怠っていないと反論していた。

 eBayは今年6月,パリの商事裁判所から,フランスのLVMH(Moet Hennessy Louis Vuitton)の偽ブランド品の流通に関して,損害賠償金の支払いを命じられている(関連記事:偽ブランド商品流通をめぐり,LVMHがeBayに再び勝訴)。

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