写真1 台湾ASUSTeK Computer社の「Eee PC 901-X」
写真1 台湾ASUSTeK Computer社の「Eee PC 901-X」
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写真2 Eee PC 901-Xのバッテリ。6600mAhと大容量だ。ちょっと特殊な形状。このため,本体が競合機種と比較して,やや厚めになっている。
写真2 Eee PC 901-Xのバッテリ。6600mAhと大容量だ。ちょっと特殊な形状。このため,本体が競合機種と比較して,やや厚めになっている。
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写真3 Wind Notebook U100やAspire oneと大きさを比較したところ。一番上はEee PC,一番下がU100,間はAspire one。フットプリントはEee PCがやや小さい。
写真3 Wind Notebook U100やAspire oneと大きさを比較したところ。一番上はEee PC,一番下がU100,間はAspire one。フットプリントはEee PCがやや小さい。
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写真4 4G-Xより光沢感が増したEee PC 901-X。大きさはほとんど同じだ。
写真4 4G-Xより光沢感が増したEee PC 901-X。大きさはほとんど同じだ。
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 台湾ASUSTeK Computer社は2008年7月11日,小型ノート・パソコンの新モデル「Eee PC 901-X」(写真1)を発表した。Eee PCは,ULCPCと呼ばれる低価格ノートの代表格。国内外で高い人気を誇る。901-Xは,1月に発売された「Eee PC 4G-X」と比べ,CPUがCeleron Mから高性能なAtomに,ディスプレイが800×480ドット表示の7型から1024×600ドットの8.9型になるなど,大きく変わった。価格は5万9800円と,4G-Xの4万4800円(発売当初は4万9800円)より1万円以上高いが,不満の大きかった性能面とディスプレイの狭さを改善したことで,人気はますます高まるものと思われる。

 901-Xの特徴は,Atom搭載と液晶の大型化のほかに,長時間駆動と2次記憶装置のSSD,オフィス・ソフトのStarSuite 8などがある。

 901-Xのバッテリ駆動時間は,3時間駆動だった4G-Xに比べて,2倍以上の8.3時間に延びた。ASUSTeK Computer セールス&マーケティング事業部の謝 青陵アカウントマネージャーは,「One Day Computing(1日使えるパソコン)を実現した」と強調する。

 長時間駆動に大きく寄与したのが,(1)バッテリ容量を5200mAhから6600mAhに増やしたこと,(2)省電力のAtomを採用したこと,(3)独自の電源管理ソフトを搭載したこと――の3つだ。既に国内で発表済みのAtom搭載ノートには,台湾Micro-Star International社の「Wind Notebook U100」や台湾Acer社の「Aspire one」があるが,どちらも2200mAhとバッテリ容量が小さい。そのため,省電力のAtomを採用してもバッテリ駆動時間は3時間である。

 バッテリ容量が大きくなった分,バッテリの重さや容積は増えている(写真2)。しかし,パソコン全体の外形寸法や重さを見ると,幅225mm×奥行き175.5mm×22.7-39mm,1.1kgで,競合のWind Notebook U100やAspire oneと大差はない(写真3)。

 2次記憶装置には,フラッシュ・メモリーを用いたSSDを採用した。競合製品の多くは80G-120Gバイトのハード・ディスクを採用するなか,901-Xは4Gバイト(オンボード)と8Gバイト(モジュール取り付け)のSSDを2枚搭載する構成になっている。SSDは,ハード・ディスクと比べ,耐衝撃性や静音性に優れる半面,大容量化すると高コスト化する,耐久性が未知数といったデメリットがある。

 901-Xの主なスペックは,Atom N270(1.6GHz駆動),1Gバイトのメイン・メモリー(最大2Gバイト),12Gバイト(4G+8G)のSSD,130万画素のWebカメラ,3基のUSBポート,1基のSDカード・スロットなど。通信機能では,有線LANやIEEE802.11b/gの無線LAN,Bluetooth 2.0のほかに,まだ仕様が標準化されていない次世代のIEEE802.11nの無線LANもいち早く搭載している。

 OSは,Windows XP Home Edition。オープンソースのオフィス・ソフトOpenOffice.orgがベースになったサン・マイクロシステムズの「StarSuite 8」やASUSTeKオリジナルのユーティリティ・ソフトなどがプリインストールされる。

 なお,きょう体色は,白と黒の2モデルがある。4G-Xも同じ白と黒の2色で,どちらも光沢感があったが,901-Xでは,4G-X以上に高い光沢感のあるきょう体に変わっている(写真4)。