稼働プラットフォームとなる「Steelhead」(写真右)と,Infobloxのアプライアンス・サーバー機(写真左)
稼働プラットフォームとなる「Steelhead」(写真右)と,Infobloxのアプライアンス・サーバー機(写真左)
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 DHCP/DNSサーバー・アプライアンス「Infoblox」を手がけるInfobloxは,仮想サーバー・ソフト上で動作する仮想アプライアンス・サーバー機「Infoblox Virtual Appliances」を,2008年8月4日に販売する。リバーベッドテクノロジーのWAN高速化アプライアンス「Steelhead」上に構築されたサーバー仮想化機構「RSP」上で動作する。価格は,稼働環境となるSteelheadの機種ごと(ユーザー数ごと)に異なり,最小構成となる60ユーザーまでの「IB-NIOS-SH520」で,59万9000円(税別)から。開発会社は,米Infoblox。

 Infoblox Virtual Appliancesは,アプライアンスであるInfobloxを,サーバー仮想化ソフト上で動作する仮想サーバー機という形に固めたアプライアンス。Infobloxとは,DHCPサーバー/DNSサーバー機能に特化した専用装置であり,企業(エンタープライズ)向けに分散拠点間でのデータ・レプリケーションや管理情報の一元管理といった機能強化を施している。これを,米Riverbed TechnorogyのWAN高速化装置であるSteelheadが備えるサーバー仮想化機構の上で動作するようにしたものが,今回出荷するInfoblox Virtual Appliancesである。

 Infoblox Virtual Appliancesは遠隔拠点に配置するためのものである。拠点ごとに分散したInfoblox Virtual Appliancesを一元管理するセンター設備として,別途,ハードウエア一体型のInfobloxアプライアンスが1台以上,必要になる。

 なお,稼働プラットフォームとなるSteelheadとは,データ・キャッシュやTCPコネクション集約などのネットワークの高速化を中核に,ファイル共有やグループウエアなど特定アプリケーション向けのプロトコル最適化などを組み合わせたWAN高速化装置である。WANを介した遠隔拠点間のアプリケーション通信を高速化する。WAN高速化装置の主な用途は,遠隔拠点にいるエンドユーザーからデータセンターへのアクセスを高速化する使い方や,データセンター間でのストレージ・データのレプリケーションなど。

 リバーベッドテクノロジーによれば,WAN高速化装置とは,データセンターにサーバー資源を一極集中化した際に生じるWANアクセスを高速化するという意味で,遠隔拠点に配置すべき数少ないサーバー資源の1つであるという。この上で,どうしても遠隔拠点に残ってしまうサーバー・ソフト群を,WAN高速化装置というプラットフォーム上で動作させる,というシナリオを描く。このための仕組みとして,同社のWAN高速化装置であるSteelhead上にサーバー仮想化ソフトを動作させ,各種のサーバー・ソフトを組み込む算段だ。この機構をRSP(Riverbed Steelhead Appliances)と呼んでいる。RSPの価格は,Steelheadの機種によらず一定で,10万円以下という。

 RSP上で動作させるべきサーバー機能には,プリント・サーバーやDHCP/DNSサーバー,ウイルス対策などのセキュリティ機能などがあるという。サード・パーティ製の仮想アプライアンスとしては,今回のInfobloxは初めて出荷される製品となる。今後サード・パーティによって提供が予定されている仮想アプライアンスには,米Secure Computingのセキュリティ・ゲートウエイなどがある。