Linuxベースのモバイル・ソフトを手がけるフランスPurple Labsは現地時間2008年7月3日,米Openwave Systemsのモバイル端末ソフト事業を買収したと発表した。買収金額は約3200万ドル。これには,15億台を超える携帯電話機で採用されているブラウザやメッセージング製品なども含まれている。

 今回の買収により,Purple Labsは携帯電話メーカーのトップ5社すべてにモバイル端末向けブラウザを供給することになる。この5社合計で世界の携帯電話機の実に80%以上を製造しているという。

 Purple LabsはOpenwaveのモバイル関連製品や特許を取得し,顧客契約も引き継ぐ。また,Openwaveの従業員約80人がPurple Labsに移籍する。元Openwave幹部のGordon Tsang氏がブラウザ/メッセージング事業部門のジェネラル・マネージャとなり,世界の営業とエンジニアリング・サポートのチームを率いる。

 Purple Labs最高経営責任者(CEO)のSimon Wilkinson氏は同日,メーカー各社に書簡を送った。そのなかで,Openwaveの既存製品を維持し,次世代の「Surfer」ブラウザやその他の先進的なモバイル・インターネット技術への投資を続ける意向を明らかにした。また,Openwaveの技術の多くをPurple LabsのLinuxプラットフォームで活用する予定だとしている。

 なお,今回買収されたメッセージング技術は,英国のソフト開発会社Magic4で開発されたもの。Magic4は,Wilkinson氏が設立した企業で,2004年にOpenwaveに買収された。この買収後,Wilkinson氏やTsang氏など複数のMagic4幹部がOpenwaveに移籍したが,Wilkinson氏は2007年10月にPurple LabsのCEOに就任していた。

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