建設業向けERPパッケージ「建設WAO」の画面
建設業向けERPパッケージ「建設WAO」の画面
[画像のクリックで拡大表示]

 建設業向けソフトや帳票ソフトの開発・販売を手がけるITベンダーのチェプロは2008年7月7日、建設業向けのERP(統合基幹業務システム)パッケージ「建設WAO」の出荷を開始した。特徴は「Webベースのアプリケーションで、クライアント/サーバー(C/S)型と同等のレスポンスと使い勝手の良さを実現したこと」(福田玲二社長)だ。同社の独自技術「WAOテクノロジー」を採用した結果だという。

 建設WAOは営業管理、見積もり・積算、原価管理、工事管理のモジュールを持つ。モジュール間で共通のデータベースを持ち、「工事案件別、地域別、部門別に営業状況や原価を可視化できる」(福田社長)データ分析機能を備える。また工事案件ごとに施工業者や監督者の履歴などを調べられるトレーサビリティ機能を用意。福田社長は「最近、起こっている建築偽装を防げるようにした」と説明する。

 アプリケーションの高速化を実現したWAOテクノロジーは、マイクロソフトのソフトウエア開発/実行環境「.NET Framework」で動作する通信インタフェースフレームワークの形を採る。建設WAOは基本的にサーバー・アプリケーションだが、クライアント側にWebブラウザの代わりに .NET Frameworkを使った専用の実行環境を用意。操作性の良いWebアプリケーションを実現している()。

 WAOテクノロジーは画面を構成するイメージ・ファイル(JPEGファイルなど)をはじめ、クライアント側で利用するデータを独自手法で圧縮するなどし、クライアントとサーバー間の通信を高速化する。このほかメモリー制御などにより「通信速度だけでなくデータ処理速度を高速化し、システム全体のレスポンスを向上させている」(福田社長)という。

 現在、特許を申請中で「技術の詳細は話せない」(福田社長)が、「WAOテクノロジー単体の販売も進める」(同)考えだ。市販の業務アプリケーションなどに組み込み、「Web上で利用する環境を高速化する用途で、すでに数社と話が進んでいる」(同)という。

 価格は営業管理が75万円から、見積もり・積算が62万5000円から、原価管理が150万円から、工事管理が100万円から(それぞれ5ユーザーの場合)。今年度、10社への導入を目指している。