NTTコミュニケーションズ(NTTコム)とロシアの大手通信事業者であるトランステレコムは2008年7月3日,日本とロシアを結ぶ光海底ケーブルを使った日欧間の新しい通信ルート「HSCSルート」の運用を7月1日から開始したと発表した。

 この光海底ケーブルは,「北海道-サハリン・ケーブル・システム」(HSCS:Hokkaido-Sakhalin Cable System)と呼ばれるもので,北海道石狩市とサハリン州ネベルスク市の約570kmを結んでいる。通信容量は最大640Gビット/秒。このケーブルをトランステレコムが保有する約5万5000kmのバックボーンと接続することで,日本と欧州を最短経路で結ぶことができるという。なお,従来の日欧間ルートとしては,米国経由と中東経由のルートがあった。

 NTTコムは,この新ルートを利用して遅延時間を20~30%低減した日欧間の国際専用線の提供を7月3日に開始した。また,同社が提供する国際IP-VPNサービス「ArcstarグローバルIP-VPNサービス(MPLSタイプ)」とインターネット接続事業者(ISP)向けのトランジット・サービスに今回の新ルートを追加するとしている。

[発表資料へ]