図1 Wi-Fiアライアンスの動向などについて説明するWi-Fiアライアンス マーケティング ディレクタのケリー・デイヴィス・フェルナー氏
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図2 Wi-Fi対応携帯電話の出荷動向
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図3 Wi-Fi CERTIFIED Voice-Personalのテスト概要
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図4 IEEE802.11n draft 2.0の認定を受けた機器のカテゴリー
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 無線LAN対応製品の相互接続性の検証を行っている業界団体Wi-Fiアライアンスは2008年7月3日、都内で記者説明会を開催した。その中で、音声向けの新しい認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED Voice-Personal」を規定したと発表した。これは、一般家庭や数人で構成する小規模事業者の環境で、より高い音声品質を提供することを目的にしている。

 説明会では、Wi-Fi対応の携帯電話が増加しており、2012年にはWi-Fi市場全体に対してWi-Fi対応携帯電話の占有率がおよそ30%になるという予測を示し、音声が重要なアプリケーションであるとした。さらに、一般家庭や小規模事業者のネットワークでは複数の機器が接続されており、さらにデータや音声、動画などが混在しているが、「音声の場合にはパケットが消失したり送信遅延したりすると何を言っているのか分からなくなる」(Wi-Fiアライアンス マーケティング ディレクタのケリー・デイヴィス・フェルナー氏)。そのため、音声の品質を確保するために同認定プログラムを策定した。

 なお、企業内で利用する無線LAN機器についても音声向けの認定プログラムを検討しており、2009年上半期には規定するという。

 また、IEEE802.11nの動向についても紹介した。IEEE802.11nは実効速度で100Mbps以上を目指す高速無線LAN規格。現在、IEEEで仕様の標準化作業を行っており、2009年7月には正式規格が策定される見通しである。

 Wi-Fiアライアンスでは、2007年に承認された「IEEE802.11n draft 2.0」の認定プログラムを実施している。ケリー氏によると、すでに325製品がIEEE802.11n draft 2.0の認定を受けてるという。IEEE802.11nの正式規格が承認された場合にも、draft 2.0との互換性があるため、現在販売されているdraft 2.0対応の機器は「ハードウエアの変更は不要で、ファームウエアのアップデート程度で正式規格に対応できる」(シスコシステムズ合同会社 テクニカル ディベロップメント プロダクトマネージャの竹山哲治氏)という。