国際標準化機構(ISO)はスイスで現地時間2008年7月2日,米Adobe Systemsの文書ファイル・フォーマット仕様「Portable Document Format(PDF)1.7」をISO標準(ISO32000-1)として認定した。これによりPDF 1.7の仕様公開や,将来的な更新と開発作業はISOの管轄となる。

 PDFは,Adobeが1993年に公開した電子文書のためのフォーマット。OSの違いに関わらず文書の作成,閲覧,印刷を行えるほか,電子署名への対応や,障害者に配慮したアクセシビリティを備えているため,文書のやり取りをする際の形式として広く一般に普及している。

 AdobeのCTO,Kevin Lynch氏は,「オープン・フォーマットを求める企業や政府機関が日増しに増えており,中立的な外部機関によるPDF仕様の管理は,今後の確信と発展を促すためにも重要だと判断した」と述べている。

 同社は2007年にPDFのISO標準化を視野に入れ,企業コンテンツ管理に関する非営利組織AIIM(Association for Information and Image Management)にPDF1.7を提出していた(関連記事:Adobe,「PDF」仕様全体のISO標準化に向けた作業を開始)。

 ちなみにISOは今年4月,米Microsoftの「Office Open XML」をISO標準として承認している(関連記事:マイクロソフトのファイル形式「Open XML」,ついにISO標準に)。

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