米オラクルは2008年7月1日(現地時間)、4月29日に買収を完了した米BEAシステムズの製品群を統合した新ミドルウエア戦略を発表した。製品体系を一新。基本的に既存のオラクル製品の枠組みを踏襲しつつ、解体した旧BEA製品を部分的に組み入れた格好だ。米オラクルのトーマス・クリアン オラクル・サーバー技術開発担当シニア・バイスプレジデントは「ベスト・オブ・ブリードの製品をそろえ、ミドルウエアでナンバーワン企業になった」と言い切った。

 新戦略の中でオラクルが「戦略的製品」として挙げた20製品のうち、旧BEA製品がほぼそのままの形で残ったのは5製品。Webアプリケーションサーバー「BEA WebLogic Server」の関連3製品と、Java仮想マシン「BEA JRockit」、トランザクション処理モニターの「BEA Tuxedo」だ。新名称はそれぞれ、「Oracle WebLogic Server」「Oracle WebLogic Suite」「Oracle WebLogic Application Grid」「Oracle JRockit」「Oracle Tuxedo」である。

 BEAが2005年以降力を入れてきたSOA(サービス指向アーキテクチャ)関連製品群の「BEA AquaLogic」は、似た機能を備えるオラクルの既存製品に吸収するか、スイート製品の1コンポーネントとして取り込んだ。その結果、一部製品名に残るもののシリーズ名称としての「AquaLogic」は消滅した。例えば、システム間連携のESB(エンタープライズ・サービス・バス)製品は「Oracle Service Bus」という名称で、旧「Oracle ESB」と旧「AquaLogic Service Bus」を統合する。

 2社で完全に重複していた製品はどちらかを切り捨てた。サービス管理製品では「Oracle Enterprise Manager」を採用し、「BEA AquaLogic Services Manager」をOEM製品としてだけ残した。逆にSIPサーバーでは、「BEA WebLogic Server」を採用し、「Oracle SIP Server」を廃止した。

 発表の最後にクリアン シニア・バイスプレジデントは、BEAが発表していた製品サポート期間は変更しないことを強調。加えて、「BEAは販売する国ごとに価格を変えていたが、当社は全世界で統一価格。シンプルな価格体系である」と述べた。