マイクロソフトは2008年7月1日、同社の新会計年度の開始に合わせて経営方針を発表した。樋口泰行 代表執行役 社長は「当社の営業はまだ甘い。顧客と最短距離でビジネスを遂行できる体制を目指す」と方針を述べた。

 樋口社長が上げた新年度の注力分野は6つ。パートナーと連携した新規製品の拡販、消費者向けオンラインサービスの拡充、企業向け営業体制の強化、WindowsとOfficeの拡販、製品やサポートの品質向上、人材の育成である。

 樋口社長が特に力を込めて語ったのが営業体制の強化。「はっきり言って我々の営業部隊は、大きな努力をしなくても売れる時代を経験している。では競争相手と比べて強いのか。顧客に顔の見える営業体制の構築、確実に営業に結びつくマーケティング強化など、徹底強化が必要だ」。

 消費者向けオンラインサービスについては、7月1日付けで専門部署を新設。「パソコン、モバイル機器、ゲームなど様々な機器をインターネットクラウドで結びつけて、トータルな価値を高める」(樋口社長)。

 発表内容はこのほか、技術文書の拡充や品質の強化など、全体に発表済みの内容をなぞる施策が多くを占めた。

 折しもこの6月末で、米本社のビル・ゲイツ会長が経営の一線を退いた。「当たり前のことを当たり前にやる」という経営方針からは、同社の「成熟ぶり」が見て取れる。