IMT-2000高度化システムの基本要件
IMT-2000高度化システムの基本要件
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導入シナリオ
導入シナリオ
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干渉条件など(干渉検討の対象は例)
干渉条件など(干渉検討の対象は例)
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今後の検討スケッジュール
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 IMT-2000高度化作業班(情報通信審議会 情報通信技術分科会 携帯電話等周波数有効利用方策委員会の下部組織)の第5回会合が,2008年7月1日に開催された。今回の会合では,2008年7月をメドに携帯電話等周波数有効利用方策委員会でとりまとめを予定していた基本コンセプトについて,作業班におけるこれまでの議論を元に事務局がまとめた案について議論を行った。

 基本コンセプトとして,IMT-2000高度化システムの基本要件(図1)や,導入シナリオの例(図2),干渉条件(図3)などが示された。基本要件としては,最大伝送速度(下りが100Mb/s以上,上りが50Mb/s以上),周波数利用効率(3.5Gリリース6の3倍以上(下り),2倍以上(上り))などが示された。導入シナリオとしては,3.5Gから直接LTEなどの3.9Gの導入を図るパターンと,3.5Gのアップグレード(MIMOあるいはデュアルセルの導入など)を経たあと3.9Gの導入を図るシナリオが示された。ここでは,3.9Gだけではなく,3.5Gのアップグレー度版も,IMT-2000の高度化システムに分類されている。なお,このアップグレードについては,標準化動向および導入シナリオなどを踏まえて検討するとしている。

 今日の作業班の議論は,事務局に対してこの二つの図(図1と図2)に関する質問が相次いだ。当面考えられている3.5Gのアップグレード版(3GPPのリリース8で想定されるMIMOあるいはデュアルセルの導入版)では,例えば最大伝送速度が基本要件に及ばないなどの理由から,整合しないように見える部分があるためである。事務局である総務省は,「元々検討を開始した趣旨が,LTEやUMBなどのいわゆる3.9Gの導入に向けた技術的条件などの検討を行うというものだったので,基本要件としてはこれを念頭においた記述をした。しかし,これまでの作業班における議論を踏まえて,3.5Gのアップグレード版も必要に応じて検討対象に加えていこうというものである」と説明した。

今日示された基本コンセプト案では,IMT-2000高度化システム実現の意義(先行導入による世界最先端のモバイルブロードバンド環境に実現など)や,同システムに期待される機能などが示された。これらについては,特に異論は出ずに,了承された。