総務省は2008年6月30日,BS(放送衛星)を利用した地上デジタル放送の同時再送信の開始に向けて,郵政省告示(放送普及基本計画と放送用周波数使用計画)の一部変更案を作成したと発表した(発表資料)。この変更案が成立すれば,地上デジタル放送の難視聴世帯に対して,BSデジタル放送用の周波数帯域(第17チャンネル)を使って関東広域圏のNHKのチャンネル(総合テレビと教育テレビ)と民放キー局の5チャンネルの同時再送信を行うことができるようになる。地域の地上アナログ放送で視聴できるチャンネルを系列とする民放キー局の番組とNHKの番組を,BSデジタル放送で視聴できるようにする。

 総務省が2008年6月27日に情報通信審議会から受けた地上波デジタル化の第5次中間答申では,地上デジタル放送を受信できない地域向けに,「セーフティーネット」としてBSデジタル放送による地上デジタル放送の同時再送信を2009年度中に開始することが提言されている。これを受けて総務省は関連する郵政省告示を変更することにした。なお総務省は2008年7月1日から7月31日にかけて,変更案に対する意見募集を実施する。