モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)は2008年6月30日、健全性を維持するための運用・管理体制を備えたサイトを認定する「コミュニティサイト運用管理体制認定基準」を制定したと発表した。同基準をクリアしたコミュニティサイトは、携帯電話事業者各社が今秋以降に導入予定の「特定分類アクセス制限方式」(ブラックリスト方式)によるフィルタリングサービスに反映され、18歳未満でもアクセス可能になる予定。

 同基準は「1.基本方針」「2.監視体制」「3.ユーザー対応」「4.啓発・教育」の4分類で22の要求項目が設定されており、原則的には全項目を満たすことで認定を受けられる。EMAは認定後も、十分な運用・管理体制が維持されているかを定期的に監視する。

 1の基本方針では「利用規約の存在及び同意」「健全化に資する運用方針の明示」など、青少年の利用に配慮した基本法的な管理方針を評価する。青少年に配慮した広告掲載基準の設定も求める。

 2の監視体制では、規約違反投稿などによるトラブル防止に関する対策や監視手法を評価するもの。例えば、「事業者は、サイトに関する投稿ログを3カ月以上の間、保存する運用を行わなければならない」ことや、個人の生命・身体・自由を侵害する投稿には速やかに削除を含む一次対応を取り、「12時間以内に必要に応じて関係外部機関への連絡等を含む必要な対処」を行う体制を整備する必要があるなどと規定している。

 また、監視人員規模については、サービス提供時には常時サイトを監視することを求め、「(1)不適切語句抽出・抽出後精査・目視など能動的な監視活動」と「(2)ユーザーからの通報・トラブル相談対応など受動的な監視活動」の両方を実施するのに十分な監視人員体制の整備を求めている。具体的な人数については、サイト運営企業に監視人員数の算定根拠を求め、その計算式を審査する形になる。

 3のユーザー対応では、問い合わせ窓口の設置、ユーザーからの通報ボタンの設置、会員制の場合は生年月日の登録といった内容を、4の啓発・教育では禁止事項のサイト上での明示やFAQの整備などを定めている。

 EMAは7月中旬より審査の受け付けを開始する。審査期間は約1カ月で、審査料は審査対象サイトの会員規模や投稿数などによって変わる。

 携帯電話事業者が実施するフィルタリングサービスにおいては現在、「モバゲータウン」など掲示板機能を持つ「コミュニティサイト」は一律「有害サイト」に分類され、アクセス制限の対象になっている。EMAは、健全制の維持に努力しているサイトをアクセス制限から外し、モバイルコンテンツの健全化を図るために設立された。

■関連情報
・モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)のWebサイト http://www.ema.or.jp/ema.html