OKI(沖電気工業)は2008年6月30日,IPTVの視聴率を調べられる「視聴情報収集システム」を開発したと発表した。放送事業者がIPTVの視聴率などの情報を収集し,サービス向上に役立てられるという。

 このシステムは,端末側の「視聴情報ライブラリ」,IPTV配信センター側の「視聴情報収集サーバー」とデータベースで構成する。視聴情報ライブラリは端末の視聴情報を収集し,視聴情報収集サーバーに送信する。その情報をサーバーがデータベースに登録する。データベース化された情報は「視聴率レポート」として出力される。

 視聴情報ライブラリはソフトウエア・モジュールとして提供される。IPTV対応テレビ受信機やセットトップ・ボックス(STB)に組み込める。また,受信機やSTBがこのソフトウエア・モジュールを組み込んでいなくても,ホーム・ゲートウェイ(HGW)に組み込むことで,同様の機能を実現できる。

 このシステムには,(1)「視聴情報選別収集機能」,(2)「送信タイミング調整機能」,(3)「通信元の情報秘匿機能」という三つの独自技術を採用しているという。(1)は,リモコン操作のうち,必要な情報だけを選別する機能である。(2)は,リモコン操作のイベント発生時にすぐに視聴情報を送らずに,タイミングをずらして送信する機能。これにより,サーバーの負荷を分散させる。(3)は,個人情報保護のため,視聴情報を収集する際に端末の匿名性を確保する機能である。

 これらの技術は,同社のIPTV用映像配信サーバー「OKI MediaServer」や,同社のSTB,HGWに組み込んでいくという。また,ITU-TでIPTV標準を策定する「IPTV-GSI」(Internet Protocol Television Global Standard Innitiative)などに提案していく予定としている。

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