バージニア州ビッグストーンギャップの米連邦裁判所の陪審は米国時間2008年6月27日,PtoPネットワークを通じた海賊版コンテンツ配布で著作権侵害に加担したとして,Daniel Dove被告に有罪判決を下した。PtoPネットワークによる著作権侵害で有罪となった陪審評決は,米国では初めてという。刑罰告知は9月9日の予定。最高で10年の懲役を言い渡される。

 Dove被告は,不正PtoPネットワーク「Elite Torrents」の管理者を2005年5月25日まで務めていた。同ネットワークは,ファイル交換技術「BitTorrent」を使って未公開映画の海賊版を全世界の会員へ配信し,米連邦捜査局(FBI)と米国土安全保障省の移民局(ICE)に閉鎖させられた(関連記事:米FBI,「スター・ウォーズ」違法コピーを配信したPtoPネットワークを閉鎖

 陪審によると,Dove被告は,Elite Torrents会員のうち海賊版コンテンツをネットワークに供給する「アップローダ」と呼ばれる少人数のグループを率いていた。具体的には,特に高速なインターネット接続サービスを利用している会員をアップローダになるよう勧誘したほか,アップローダ向け海賊版コンテンツ提供用のサーバーを運営したという。

 Elite Torrents関係者の摘発は,不正PtoPネットワークの撲滅を目的とする捜査作戦「D-Elite」の一環。この取り組みで有罪とされた被告は,Dove被告を入れて8人になった。

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