富士通は2008年6月23日付で「SIアシュアランス本部」と「生産革新本部」を統合し、新たに「アシュアランス本部」を立ち上げた。SIアシュアランス本部は不採算案件の撲滅を、生産革新本部はシステム開発の効率化を担っていた部署。「生産性の向上など、2つの部署に重複する部分が多かった」(富士通広報)ため統合し、効果を出しやすくする。

 SIアシュアランス本部と生産革新本部の両方にあったオフショア開発の機能も、アシュアランス本部の下で「オフショア開発センター」として一元化した。「オフショア開発のスピードや品質を強化する」(広報)のが狙いだ。新部署の本部長には、プロフェッショナルサポートビジネスグループのグループ長補佐を務めていた植松一裕常務理事が就任した。

 SIアシュアランス本部は2005年4月、不振を極めていた国内SI事業を立て直すために社長直轄の部署として設置された。6月23日付で就任した野副州旦社長は、立ち上げ時に本部長を務め、黒川博昭前社長の下で赤字案件の撲滅に力を注いだ。その結果、2004年度に380億円あった不採算案件の損失を06年度には50億円以下に減らすことに成功。同社の関係者は「SIアシュアランス本部での功績が野副氏の社長就任につながった」と口を揃える。

 今回のアシュアランス本部の設立は、野副社長がSI事業の立て直しで得たノウハウを、より広い範囲に適用するための組織変更だといえる。「本業であるソフト・サービスの強化が最重要」とする野副社長が、早くもその姿勢を鮮明に打ち出した形だ。