総務省は2008年6月26日、地方公共団体システム部門向けの業務継続計画(BCP)ガイドライン案を公表した。地震や火災などの災害時においても、自治体の情報システムを長時間中断させないことを狙う。7月10日までパブリックコメントを募集し、その後に正式版を公表する。

 ガイドラインは大規模な地震災害を想定し、火災や水害など二次災害も視野に入れたBCPを目指すもの。地方公共団体の業務は情報システムへの依存度が高く、システム部門のBCPを先行して策定する必要があった。

 具体的には、BCP担当者の設置、システム構成の把握、建物やラックの免震・耐震対策、重要情報のバックアップ、地震発生時の行動計画の立案、定期的な訓練、運用体制の整備などを求めている。ガイドライン案には具体的な手順を示し、システム部門の規模が小さい自治体でも対策できるようにしている。

 金銭や人的リソースに余裕のある自治体に対しては、金銭投資を含む災害対策を推奨している。外部事業者の保守サービスの活用や、建物の耐震補強、システムの二重化、外部データセンターの活用などを例に挙げる。

 総務省が公表したガイドライン案は地方自治体向けだが、災害時の体制作りや対応策の考え方などは民間企業でも参考になる点が多い。BCPを検討している企業が目を通す価値はありそうだ。