NTTは2008年6月25日,第23回定時株主総会を開催した。総会には約2000名の株主が出席。三浦惺・持ち株会社社長は株主に対して,IP系・ソリューション系事業の売上高構成比を2012年度までに75%まで引き上げる構造改革など,5月13日に公表した新・中期経営戦略などを説明した(関連記事)。

 これに対して会場では,FTTH回線を自宅に導入した個人株主などから光サービスの内容拡充についての質問が飛び出した。特に加入電話と同じ0AB~J番号を使えるひかり電話については,「加入電話とサービス内容が同等になっておらず,不便を被っている」との指摘が相次いだ。

 具体的には,ひかり電話から「0570」で始まる「統一番号サービス(ナビダイヤルなど)」に発信できないことに対する苦言である。相次ぐ質問に対し,回答に立ったNTT東日本の古賀哲夫・副社長は「株主や顧客にご迷惑をおかけしていることは重々承知している。年内に0570番号への接続を開始すべく準備を進めている」と,開通予定時期を明らかにした。

 0570番号は,一つの電話番号に着信した通話を複数の拠点に振り分けるための番号で,商品やサービスの問い合わせ先などに使われている。NTTコミュニケーションズはナビダイヤル,KDDIはアクセスコールといったサービス名で,0570番号を割り当てており,2007年3月末時点では,コールセンターやダイヤルアップ拠点用に約7000個の0570番号が使われている。これらの電話番号に対して加入電話から発信できるのはもちろん,KDDIのメタルプラスやひかりone電話,ソフトバンクテレコムのおとくラインからも発信可能になっている。これに対して,NTT東西のひかり電話だけが0570番号への発信を実現していなかった。

 質問した個人株主の一人は,「ひかり電話の利用を開始した2年前の時点で,0570番号に近々対応するとの回答をもらっていた」とし,「それからずいぶん時間が経っても,まだ対応していない。NTTグループに対する信頼性にも関わる問題だ」と,厳しい声を上げていた。

[株主総会の案内]