写真●国立大学附属病院長会議常置委員長の河野陽一 千葉大学医学部附属病院長
写真●国立大学附属病院長会議常置委員長の河野陽一 千葉大学医学部附属病院長
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 全国の国立大学付属病院の院長で構成する国立大学附属病院長会議は2008年6月25日、インターネット会議システム「国立大学病院インターネット会議システム(UMICS)」を16日に本稼働したと発表した。東京大学附属病院に導入し運用を開始。インターネット回線を利用したテレビ会議システムで他の病院や医療関係施設と連携し、会議や講演、研修に活用する方針だ。関連拠点と連携することで、会議や講演に出席するための出張時間や経費の削減効果を狙う。今後は、ほかの大学病院や一般病院、民間機関などに導入を促し連携先を広げる方針だ。

 UMICSはサーバー/クライアント型のインターネット会議システムだ。動画と音声のほかに、WordやExcel、PowerPointといった資料データ、Webページなどを共有しながら会議できる。利用者は専用のクライアントソフトをパソコンにインストールしサーバーにアクセスし、相手を呼び出して会議を実施する仕組みだ。

 国立大学附属病院長会議によると、各地の大学附属病院は、慢性的な医師・スタッフ不足により人員一人当たりの業務負担が増加している問題に頭を悩ませているという。例えば、医師の場合、医療・診察や教育・研修、研究といった日々の業務の中で、会議や説明会、講演といった出張を伴うケースが増え、移動などに時間を割かれていた。そのため、「会議や説明会の効率化が大きな課題だった。インターネット会議システムの導入で会議などの効率化と出張経費の削減効果が期待できる」と国立大学附属病院長会議常置委員長の河野陽一 千葉大学医学部附属病院長は説明する(写真)。

 国立大学附属病院長会議は、東京大学や千葉大学など、全国42校の国立大学に設置された附属病院の病院長で構成する組織。この会議の常置委員会において、06年から全国立大学病院で共通のテレビ会議システムの導入を検討。これまで使っていた衛星回線を使用するテレビ会議システムの老朽化が要因の一つとなり、08年にインターネット会議システムへ刷新することになった。