ERP5の画面
ERP5の画面
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 オープンソースERP(統合業務パッケージ)「ERP5」を開発したフランスNexediは2008年6月25日,日本法人Nexediを設立したと発表した。オープンソースERP開発企業として初めて日本法人を設立した。代表取締役社長には,Nexedi本社の最高技術責任者(CTO)を務めてきた奥地秀則氏が就任した。

 ERP5は人事管理,会計管理,生産管理,顧客管理(CRM),コンテンツ管理(CMS),オンライン取引 (販売,購買)モジュールからなるWebベースのERPで,フランスの水着メーカーCoramy,ドイツの偵察衛星TerraSAR-Xの撮影画像を提供しているInfoterra,フランスの水道局,中央銀行,病院,セネガル共和国,Sevran市役所で導入されている(関連記事「ついに実稼働が始まったオープンソースERP」)。日本のユーザーでも,すでに1年以上にわたって利用されているという。

 ERP5は,オブジェクト指向スクリプト言語Pythonによるアプリケーション・サーバーZope,データベースはMySQLと,全面的にオープンソースのミドルウエア上に構築されている。

 奥地秀則氏はLinuxの標準的なブートローダー(OSを起動するプログラム)となっているGNU GRUBの開発者として知られており,独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の未踏ソフトウェア創造事業にも採択されている。

 またフランスNexediには,奥地氏のほかにもHikiの管理者である塩崎量彦氏,Zopeのコミッタである田原悠西氏など著名なオープンソース開発者が在籍している。

 Nexediでは,「日本法人はビジネス上の拠点となるだけでなく、研究開発(R&D)の中心的役割を果たす」としており,日本法人の研究開発事業に対して約20万ユーロ(約3400万円)を投じるという。