写真1●KDDIの小野寺正・社長兼会長
写真1●KDDIの小野寺正・社長兼会長
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 KDDIは2008年6月25日,同社の固定電話からau携帯電話,同社の固定電話同士の国内通話料を,24時間無料とする割引サービス「auまとめトーク」を8月1日から開始すると発表した。

 対象となるのは,KDDIが提供する5種類の固定電話サービスのいずれかを利用し,かつauの携帯電話サービスを利用するユーザー。5種類の固定電話サービスとは,直収電話の「メタルプラス電話」「ケーブルプラス電話」,0AB~J番号を使うIP電話サービスの「ひかりOne電話サービス」「ADSL One電話サービス」,050番号を使うIP電話サービスの「KDDI-IP電話」である。KDDIは今回のサービス開始に合わせて,これらのサービスの総称を「auおうち電話」とする。

 auまとめトークのサービスを受けるには,特別な手続きは不要である。auとauおうち電話の料金請求をひとつにまとめる「KDDIまとめて請求」に登録していれば,自動的に適用される。また,既存の割引サービス「au-自宅割」で自宅電話番号としてauおうち電話を登録しておけば,au携帯電話から自宅電話番号あての通話料が無料になる。

 「まとめて請求」に登録できない,KDDI以外のプロバイダが販売する「ひかりone電話」や「ケーブルプラス電話」を利用していても,まとめてトークを利用できる。固定電話契約の連絡先としてauの電話番号を登録し,両サービスの契約者名または住所が同じ場合に,まとめトークが自動適用される。

 KDDIは今回の割引サービスで,au携帯電話ユーザーに同社の固定アクセス回線の利用拡大を目指す。現状,au携帯ユーザーがいる約1370万世帯のうち,KDDIの固定通信サービスに加入しているのは約180万世帯にとどまっている。

 今回の通話料無料化によりKDDIは,年間で通話料収入約20億円分の減収を見込む。しかし,KDDIの小野寺正社長(写真1)は「NTT東西がほぼ独占してきた固定電話の基本料金市場を奪うことで,全体の収益は結果的に増える可能性もありえる」としている。

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