米AT&Tは米国時間2008年6月24日,新たな事業部門を設置し,デジタル・コンテンツの配信と管理事業に注力すると発表した。ビデオやマルチメディア・ファイルを,テレビ,パソコン,モバイル機器に配信するための包括的なソリューション「Digital Media Solutions」を通じて,多国籍企業や複数の拠点に支社を持つ企業のデジタル・コンテンツ配信を支援する。

 ソリューションは,(1)ネットワークベースのコンテンツ配信サービス「Intelligent Content Distribution Service」,(2)デジタル・サイネージ(電子看板)の「AT&T Digital Signage」,(3)ビデオやオーディオファイルの配信サービス「Broadcast Video」を3つを柱としており,同日より提供を開始する。

 Intelligent Content Distribution Serviceは,Webページのコンテンツ,大容量ファイル,ビデオ映像などを複製し,各地に分散したサーバーの中から最も最適なパスを見つけ出して配信するため,効率的なコンテンツ配信が可能という。Digital Signageでは,街角や商業施設,企業の受付などに設置した大型ディスプレイに,さまざまなマルチメディア・コンテンツを流すことで,効果的なコミュニケーションを支援する。Broadcast Videoでは,高画質のビデオ映像やステレオ品質のオーディオ・ファイルを光ファイバ・ネットワークを介して配信する。

 これに伴いAT&Tは,デジタル・コンテンツ・サービスのソフトウエアを手がける米ExtendMedia,ビデオのライブやオンデマンド配信を手がける米Qumu,メディア・アプリケーションを分散型WANやイントラネットで配信するソフト/技術を扱う米Stratacacheと協力体制を敷く。3社の技術を同社のソリューションに統合していく。またAT&Tは約7000万ドルを投じて,米国,欧州,日本,香港,中国,台湾にまたがるネットワークのインフラ強化を年内に完了させる予定。

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