写真 HP Compaq 2533t Mobile Thin Client
写真 HP Compaq 2533t Mobile Thin Client
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2008年6月23日,ノート・パソコン型のモバイル・シン・クライアント専用端末「HP Compaq 2533t Mobile Thin Client」を発表した。6月26日に販売を開始する。価格は12万5790円。イー・モバイルのデータ通信端末とのセット・モデルも用意した。

 2533tはノート・パソコンと同じような感覚で持ち歩ける端末。端末側にはデータを保存せず,HSDPAなどの高速ネットワークを利用してデータ・センターなどにアクセスして利用する。

 同端末は「モバイル・シン・クライアント用にマザーボードから設計した」(日本HPの松本光吉 執行役員)というもの。ストレージにはハード・ディスクではなく,1Gバイトのフラッシュ・メモリーを採用しており,データをほとんど蓄積できない。USBメモリーやSDカード用スロットを備えているが,これらは出荷時の初期設定では使えなくなっているおり,管理者が許可して初めて利用できるようになる。

 HPのシン・クライアント・システムだけでなく,VPNを利用して企業ネットワークにアクセスする方式など「あらゆるシン・クライアントの端末として使える」(松本 執行役員)としている。

 日本HPでは同端末とイー・モバイルのHSDPAデータ通信カードを組み合わせたモデルも用意する。イー・モバイルの「D02NE」または「D02HW」のいずれかとセットで価格は10万4790円。また,KDDI(au)の「W05K」やNTTドコモの「N2502」「A2502」,ソフトバンクモバイルの「C01SI」といったデータ通信カードでも動作確認を行っている。

 日本HPは,モバイル・シン・クライアントの利用に必要なネットワーク帯域について「画面の書き換えが少なければ1Mビット/秒の速度がなくても快適に使える。写真の多いPowerPointファイルなど画面の書き換えが多い場合は2Mビット/秒程度」(松本 執行役員)と説明した。

 OSはWindows XP Embedded。無線を使わない場合,3セル・バッテリー搭載時で最大3.3時間の稼働が可能。