「東京大学大学院で笹田研究室が発足した。研究内容はRuby。一緒に研究をしてくれる学生を募集している」---2008年6月21日,日本Ruby会議での講演で,東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 講師 笹田耕一氏は,Rubyを中心テーマとする研究室が設置されたことを紹介した。
笹田耕一氏は,2007年12月に正式公開されたRuby 1.9に採用されたRubyの実行エンジンである仮想マシン「YARV」の開発者。講演では現在笹田氏がかかわっているRubyの研究プロジェクトを紹介した。
「RubyでのマルチVirtual Machine(VM)」は1つのインタプリタ上に複数のVMインスタンスを生成可能にする。これにより,複数のアプリケーションを効率的に実行できるようにすることを狙う(関連記事)。
「Rubyによるハイパフォーマンス・コンピューティング」は,大規模並列システムによる数値計算をRubyで容易に記述できるようにするもの。
「Atomic Ruby」は,Rubyの小さな仕様のサブセットを作成し,組み込みシステムなどへの移植を容易にすることを狙うプロジェクトである。必要な機能ごとにプラグイン/アウトすることを可能にする。
東京大学では教養学部では2006年度より1・2年生向けの科目「情報科学」でRubyを用いた講義・演習を行っている。日本Ruby会議2008では東京大学 教養学部 准教授 増原英彦氏が同大学におけるRubyによるプログラミング教育について報告した。
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■変更履歴 本文で「准教授」の表記が誤っていました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/06/23 12:31] |