双日は2008年6月20日,米国の無線ICタグシステム開発企業のアイコントロール(i-Control)に出資し,国際物流の可視化事業に進出すると発表した。アイコントロールは米国土安全保障省(DHS)の委託を受け,「MATTS」という物流可視化システムの開発を進めている。米国に入る海上コンテナにGPS(全地球測位システム)機能が付いたICタグを取り付け,コンテナの位置情報やドアの開閉などのセキュリティー情報をリアルタイムでモニターできるシステムである(発表資料)。

 日本では国土交通省とDHSが協力し,MATTSの第1回の実験が行われた。100個のコンテナにICタグを付け,横浜港からロサンゼルスを経由してシカゴ近郊までのコンテナの動きを管理する技術を検証した。2008年夏以降に,2回目の実験が行われる予定だ。双日はアイコントロールの総代理店としてこの実験を支援し,MATTSを利用した国際物流の可視化事業に進出する。

 なお,米国では2001年9月11日の同時多発テロの発生を機にDHSが設置され,テロの危険がある物資の国内への流入を阻止するための様々な取り組みが行われている。