写真●三菱UFJ信託銀行向けの申込書類とデジタルペン。10数種類に及ぶ投資信託商品専用の用紙を用意した
写真●三菱UFJ信託銀行向けの申込書類とデジタルペン。10数種類に及ぶ投資信託商品専用の用紙を用意した
[画像のクリックで拡大表示]

 三菱UFJ信託銀行は2008年7月、投資信託の営業支援システムの利用を始める。デジタルペンを利用し、申込書に入力したデータをすぐにデータ化してセンターに送信することで、記入内容を確認する時間を短縮。営業担当者の接客時間や1日に訪問できる顧客件数を増やす効果を狙う。

 金融機関で投資信託を販売する場合、申込日により基準価額が変わることから、申込日当日の15時までに申込書類の確認作業を終了し、申込処理を実施する必要がある。営業担当者が顧客先を訪問して投資信託を販売する場合も、顧客が記入した書類を一度会社に持ち帰り、締め切りの時間までに処理していた。確認・処理の作業は専用のセンターに依頼するため、帰社時間などを考慮すると、顧客先で投資信託を14時よりも前に販売しないと処理が間に合わないという課題があった。

 三菱UFJ信託銀行は課題の解決に向け、業務効率を目指すシステムを検討。2006年7月から2年間、16店舗の窓口や訪問販売先で検証したうえで、デジタルペンを利用したシステムの採用に至ったという。デジタルペンを使えば、通常のボールペンと同様に書類に手書きで文字を書き込めるので、顧客が意識せずにシステムを利用できるメリットがある。導入店舗を徐々に広げ、最終的には全82店舗に導入する予定だ。

 デジタルペンによる入力システムは、大日本印刷と情報システムの開発・販売を手がけるアイディーエスが構築した。デジタルペンは先端に小型カメラを内蔵。専用紙に印刷された特殊なドットパターンをカメラが読み込み、記入内容をデータ化する。データは携帯電話を介し、記入内容の確認・処理を担当するセンターに送信する仕組みだ。